グレーゾーンの子どものための学習支援教室 学びのいろは

通常のクラスでうまく適応できない発達障がい、軽度知的障がい、不登校の小中学生を対象とした学習塾 : 浜松

第17回グレーゾーンの子どものための進学説明会

第17回グレーゾーンの子どものための進学説明会 令和6年10月20日(日) 14:00〜15:30 浜松アリーナ 第1会議室[定員18組] 令和6年10月26日(土) 10:00-11:30 福祉交流センター 43ギャラリー[定員18組]

 

※2024年9月3日から公式サイトが閲覧できなくなっております。

原因の調査の上、復旧作業に努めていますが、進学説明会の申し込み

につきましては下記リンクサイトよりお願いいたします。

 

docs.google.com

多様性を保障する高校入試制度とは

昨日、某新聞社から電話がありました。不登校などの子どもに
熱心に取り組まれ、また高校入試制度にも意見を持たれている
ということでお話伺いたいとの趣旨でした。新聞は貴重な情報
なのでいつも読んでいるものの、こちらが知りたい伝えたい
情報と新聞社が掲載したい情報とが必ずしも同じでないと常々感じています。
 結果として昨日の電話もそう感じました。
私の意見は個人の意見ですので、何かを代弁して語っている
わけではありません。ですので新聞という公共性を帯びた媒体では
ふさわしくないのかもしれません。そこを上手に折り合うように
話しできるのが大人としてのふるまいなのかもしれませんが、
あまりそういう器用さはないです。
でも尋ねられた内容は非常に重要な内容だと思うので共有させて
いただきます。
昨年度、県立高校の7割が定員割れしている状況になっています。
しかし、それでも入試制度は旧来型で、定員割れしている状況でも
不合格者を出している。これに対して県議会も問題視しており
制度改革について議論が始められようとしているということです。
他県では、不登校児に不利にならないように内申書の比重を低め
たり、自分の得意なことをアピールする形を導入したりするなど
多様な選抜が進められているが、現行の静岡県の県立高校の入試
制度について何か意見はあるか?
というものでした。
これに対して私の答えは「変更する必要はない」と伝えました。
記者含めて県議会が指している"高校"とは、県立の"全日制"の高校
を指しています。そのことを確認したうえで、すでに現行制度に
静岡県では県立の全日制のほかに6種類のタイプの高校があることを伝えました。入試制度改革に例として挙げられているような工夫がすでにこれらの高校では事実として機能しています。しかし、これらの6種類の高校の存在やその内容実態についてほとんど知られていません。私からすれば県立の全日制以外の学校のことについてもっと知ってもらいたいし、それらがもっと選ばれていくことのほうが社会全体から見て教育の多様性につながると思っています。
これまでは県立の全日制高校の比率が7割近くありましたが、
私立の全日制の割合が増えたり、定時制、単位制、通信制など
で学ぶ子供の割合が増えていくことで解消されていくと思います。
県立の全日制高校を他の学校と同じようにすれば、県立の全日制
を良いと思っている人たちにとっての選択肢が失われてしまい
選択肢が減ってしまうと思います。
教育制度というか多様性を社会でどう担保していくか?
ということの認識の違いだと思うのですが、制度を考える
事と併せて、多様性とは何か?多様性を担保する社会や教育
とはどうあるべきか?ということを考えて決めていくという
ことがものすごく重要だと思います。
よその県で何かしらうまく行ってそうな事例があるので
その部分だけ持ってきて当てはめる、という方法を繰り返すことのほうが多様性を奪い、方向性を失う原因になっていると思います。
県立高校は生徒から選ばれなくなりつつあります。それでだけではなく、教員からも選ばれなくなっています。どことは言いませんが、県立の全日制高校で教師が3人も不足している学校があると聞いています。
先生のなり手がいないのです。教育や学校がどこに向かって
いっているのか先生にすら分からない。ニュースをつくるため
なのか?議会から文句言われないために改革するのか?
そこで学ぶ子供、そこで教える教師、その子たちが育った後の
社会をイメージしたうえで慎重に設計する。それが高校入試
制度ではないかと思っています。
誰にでもフィットする高校は存在しないが、
その子にフィットする高校は存在しています。
最後に一つ付け加えておきます。
内申書の評価制度の不公平さ(校内、学校間)については
緊急に是正する必要があると感じています。

就職きまりました

「就職が決まりました」という知らせがありました。
療育手帳を今も持っている、かつての教え子からでした。
それも障害者雇用ではなく一般就労で。
知的クラスにいましたが猛勉強して中3から通常級に異動、
そして滑り込むように全日制高校へ進学をした子でした。
 内定が出た後、親も交えて学校で面談があったそうです。
「障害者枠じゃなくていいのか?」と問いただされたの
だというのです。
面談に先立って内定を出した会社側にも学校は事情を再度
伝えて確認したようですが、「学校にちゃんと行けてて
卒業できそうなんでしょう?学校での成績もついてるし
こちらでも面接したうえで良いって言ってるから。」
ということだったのですが、一般就労となると、他の
従業員と同じだけ給料をもらえる分、同様の仕事も
責任も負うことになるので、それに耐えられるのか?
と学校側は心配したようです。
「大丈夫です。頑張ります」と返事をし、
内定が決まったとのことでした。
自立とは、いったい何でしょうか?
私は、通常のクラスではうまく適応できにくい
発達障がい、軽度知的障がい、不登校などの子どもに
勉強を教えています。
私の場合ですが、自立とは「就職」のことだと思っています。
浜松市内の知的クラスに在籍している小中学生は約1200人。
その中のたった1人がたまたま一般就労できたという
例外的なことだったのかもしれません。
ですので、
全員にこれを当てはめられるわけでもありませんし、
それで全員が幸せになるとも思いません。
ただ、普通に就職するという生き方も選べる
かもしれないよ、というのは知っておいても
いいことではないでしょうか。
「軽度知的障がい」って何なのでしょう?
努力次第では、小学生くらいの漢字の読み書きは
できるようになるし、二次方程式の計算もできる
ようになるし、簿記の資格も、運転免許もとれる。
友達もたくさんできて、就職もできる。
普通の人よりも不器用で時間がかかるだろうけれども。

2Bのえんぴつ

今、小学生が持っているえんぴつは全員「2B」です。
10数年前ごろから「2B」へと替わっていったようです。
「力のない子どもでもはっきりと分かりやすい字が書きやすいから」だそうですが、
学習への意欲がなくなったり、書字障害と言われる子どもに共通している点が
低学年でも消しゴムで消せないくらい強い筆圧で文字を書いていることです。
 国語や算数に取り組みつつも、私が最初に教えていることが筆圧を改善させることです。
なぜがというと、消しゴムで消しても消えない文字を書くので、答えを間違えることに
ものすごく躊躇してしまうからです。これかな?という程度の自信のない回答は書かずに
白紙のままの箇所がものすごく多くなってしまっています。
筆圧がコントロールされている文字であれば、
消しゴムが上手に使いこなし切れていない低学年の子でも、
一度も文字を書いていない時と同じくらいきれいに消すことができます。
そういう状態であれば、間違えることに対して躊躇することが減り、
必要な箇所だけ直す程度で済んだり、
偶然に正解だったりと試行錯誤しながら学習が進められるようになってきます。
この前、1回の授業で筆圧に関する言葉がけを
1人の子どもに何回位言っていたかと数えてみたところ96回も言っていました。
その中には「いいよ」「できてるよ」「上手じゃない!」という誉め言葉も含めて。
えんぴつを滑らせるようにやさしく書けるようになるには
数か月~1年近くと人によって様々です。
ですが、これができるようになると、メリットがたくさんあります。
例えば、文字をたくさん書いても疲れにくくなったりするなど。
その中でも特に私が必要を感じているのがIT機器の使用です。
タブレットや電子辞書では、「画面に書く」という作業がある場合がありますが、
それは大人でも難しいです。筆圧が強い子だとなおさらです。
発達障がい等の子ども向けのIT教材がどんどん増えてきていますが、
特性を持った子どもたちに手先が不器用な子どもは非常に多くいます。
そういった場合、IT教材の前段階として、
対面での関わりの中で道具を扱うことや
一緒に喜びや大変さを分かち合う伴走者の存在が不可欠です。
伴走者が必要な期間は子どもによって様々ですが、
伴走者がいたことによって一人で学べるようになる子どもが徐々に増えてきています。
私は浜松で「学びのいろは」という学習塾を主宰しています。
そこには、発達障がい、軽度知的障がい、不登校等、
通常のクラスではうまく適応できにくい小中学生が学んでいます。
実は今、子どもたちの成長に不可欠な伴走者が足りない状況です。
伴走者には是非、お勉強を教えるということ以上に、
「いいよ」「もうちょっと」「がんばれたね」といった声掛けをしてほしいのです。
もし特性を持った子どもたちへの関りや伴走者としての活動に
興味を持っていただいたり、協力してもいいと思っていただいた方、
知り合いの方で向いている人や時間のある方がいらっしゃいましたら、
下記URLをご覧いただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
 
 


 
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配慮依頼文章の配布

軽度知的障害や発達障害などの子どもの教育に
携わっている身でありながら、勉強不足で知りませんでした。
「配慮依頼文章の配布」という言葉。
これは大学が行っている障害への合理的配慮の項目の一つです。
学校側が各先生に文章で配慮学生の特性と授業での配慮をお願いする文章です。
 小中学校では(少なくとも浜松市においては)こういうものは
存在しないと思います。
特に中学校の場合、担当する先生が教科によって異なるため
支援が必要な生徒への配慮すべきポイントを各教科の先生に
伝達することは「できない」という返答が何度もかえって
きています。
例えば、全体に対しての指示が聞き取りにくいという
特性を持った子供がいます。それぞれの教科の中で、
全体に指示した後に、個別に一言言ってもらうことや行動し
はじめているかの確認をしてほしいと
心理士、カウンセラー、支援者と学年主任、担任を交えた
支援会議で「できません」と言われました。
「できない」という背景には、実行するかどうかは各先生の
指導にゆだねられているので、管理者としてそこまで保証
できないということなのだと思います。
でも大学のように文章で各先生に配布することで最低限
共通認識はなされますし、配慮事項を実施に移さなかった
先生は、先生側として何かしら説明責任が伴うと思います。
私も元教師だったので先生は文書ではなく、口頭で意思疎通
することがベースになって言うということは理解しています
が、自分たちの理解できない内容や価値観は異なっても
共通して当たらなければならないことに対して管理職側から
文章で各先生に依頼するということは積極的に行っても
いいことではないかと思います。
先生たちから反発が出るのかもしれませんが、大学はもう
ほぼすべての学校でそれが導入されており、また合理的配慮
支援事項の一番多いものに挙げられているようですので
早く取り入れてもらいたいと切に願います。
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