2Bのえんぴつ
今、小学生が持っているえんぴつは全員「2B」です。
10数年前ごろから「2B」へと替わっていったようです。
「力のない子どもでもはっきりと分かりやすい字が書きやすいから」だそうですが、
学習への意欲がなくなったり、書字障害と言われる子どもに共通している点が
低学年でも消しゴムで消せないくらい強い筆圧で文字を書いていることです。
なぜがというと、消しゴムで消しても消えない文字を書くので、答えを間違えることに
ものすごく躊躇してしまうからです。これかな?という程度の自信のない回答は書かずに
白紙のままの箇所がものすごく多くなってしまっています。
筆圧がコントロールされている文字であれば、
消しゴムが上手に使いこなし切れていない低学年の子でも、
一度も文字を書いていない時と同じくらいきれいに消すことができます。
そういう状態であれば、間違えることに対して躊躇することが減り、
必要な箇所だけ直す程度で済んだり、
偶然に正解だったりと試行錯誤しながら学習が進められるようになってきます。
この前、1回の授業で筆圧に関する言葉がけを
1人の子どもに何回位言っていたかと数えてみたところ96回も言っていました。
その中には「いいよ」「できてるよ」「上手じゃない!」という誉め言葉も含めて。
えんぴつを滑らせるようにやさしく書けるようになるには
数か月~1年近くと人によって様々です。
ですが、これができるようになると、メリットがたくさんあります。
例えば、文字をたくさん書いても疲れにくくなったりするなど。
その中でも特に私が必要を感じているのがIT機器の使用です。
タブレットや電子辞書では、「画面に書く」という作業がある場合がありますが、
それは大人でも難しいです。筆圧が強い子だとなおさらです。
発達障がい等の子ども向けのIT教材がどんどん増えてきていますが、
特性を持った子どもたちに手先が不器用な子どもは非常に多くいます。
そういった場合、IT教材の前段階として、
対面での関わりの中で道具を扱うことや
一緒に喜びや大変さを分かち合う伴走者の存在が不可欠です。
伴走者が必要な期間は子どもによって様々ですが、
伴走者がいたことによって一人で学べるようになる子どもが徐々に増えてきています。
実は今、子どもたちの成長に不可欠な伴走者が足りない状況です。
伴走者には是非、お勉強を教えるということ以上に、
「いいよ」「もうちょっと」「がんばれたね」といった声掛けをしてほしいのです。
もし特性を持った子どもたちへの関りや伴走者としての活動に
興味を持っていただいたり、協力してもいいと思っていただいた方、
知り合いの方で向いている人や時間のある方がいらっしゃいましたら、
下記URLをご覧いただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。