グレーゾーンの子どものための学習支援教室 学びのいろは

通常のクラスでうまく適応できない発達障がい、軽度知的障がい、不登校の小中学生を対象とした学習塾 : 浜松

見えていない子どものニーズ

浜松市が令和2年に行った『子どもの貧困に関する実態調査』
から非常に興味深い結果が読み取れます。それは、
貧困家庭の子どもほど食事よりも学習へのニーズが高い
ということです。どういうことかというと
勉強が嫌い、というよりも分からなくて困っているという
 ことなのだと思います。
この調査結果のまとめにはこういった点について触れた
総括がないのが残念ですが、グラフ化された結果を
追っていけば読み取ることができます。
私は過去、夜間定時制での教師経験や、現在は
軽度知的障害などのグレーゾーンの子どもたちに対して
学習支援をしているのですが、こういった活動を通して
得られる実感と今回の結果がぴったりきました。
私のところで学んでいる子どもたちは勉強がものすごく
苦手です。
例えば、5年生でカタカナの読み書きが完璧に習得
できていなかったり、九九が完璧ではなかったり、
「森」は読めても「林」が読めないといった状況です。
こういった状況なので学校の授業に集中できなかったり
分からないことを隠したいがためにやる気のない素振り
をしたりします。
皆は分かっている、なぞなぞの答えを自分一人だけが
分からないままずっと過ごしているというような感覚
なのだと思います。
かなり古い話ですが、スクールウォーズというドラマ
がありました。その中で、ラグビー部顧問の滝沢
先生が、勉強が全くできない暴力的な高校生の部員に
対して「花」という字を一生懸命教えるシーンが
ありました。その時はまだ子供だったので、大げさな
と思ってみていました。
でもつい先日、ユーチューブでドラマを見つけてその
シーンを久々に見たのですが、自分が取り組んできた
夜間定時制での指導、現在、WISC60~80台の子どもに
対して取り組んでいる姿と重なり、涙してしまいました。
つい30年ほど前まではテレビドラマをつくる人で
あっても子どもが本当は何を欲しているのか分かって
いたんじゃないかと。そういった知恵や教育がこの間
にすっかり失われてしまっている現状や救われていない
子どもたちが大量に生み出されている現状があまりにも
悲しいからです。
昨今、医者やカウンセラー、特別支援教育の専門家
にしか分からないと思い込んでいますが、本当に
彼らの言っていることだけが正しいのでしょうか?
ものすごく参考になりますが、すべてではないと
思っています。
その一つが学習です。専門家と呼ばれる人の多くが
学習は負担でありストレスの現況であり、
軽減すべき事項であると主張されています。
が、浜松市のこの大規模なデータからは全く
違った子ども像が浮かびあがっています。
私のところに来ているアルバイトの大学生がいます。
彼は、私のところに来ているアルバイトと同時に
無償で子どもたちに学習支援をするボランティア
にも言っています。そこの団体は初めは、
主に貧困家庭の子どもに食事を提供するという
ことから活動を始めたのですが、子どものニーズに
寄り添う中でだんだんと学習支援を取り入れる
ようになったというのです。
これはアンケート結果と符合しています。
子どもが暴れているのはなぜなんでしょうか?
「自分だけができない子のままじゃ、嫌」
なのに、誰もできるように分かるように教えて
くれないことに対して怒っている子も相当数
いるのではないでしょうか。