グレーゾーンの子どものための学習支援教室 学びのいろは

通常のクラスでうまく適応できない発達障がい、軽度知的障がい、不登校の小中学生を対象とした学習塾 : 浜松

私立高校授業料無償化の影響

三年前から私立高校の授業料無償化がはじまっています。
その結果、私立単願が増え、少子化もあって高校進学は
容易になりました。県立高校の7割が定員割れ。塾へ
通わせる教育費も減り、子どもや家庭の負担は減りました。
他方で無償化に掛かった静岡県の支出は約90億円。
 逆に、落ちてもいいから県立の上位校を目指す人も
増えています。その併願校の私学の生徒数も増えています。
勉強してきた子どもと勉強しなくても大丈夫だった子ども
とが完全に二極化しています。
「勉強しなくても何とかなる」「その子の良さを伸ばせば」
と言われる人がいますが、今は親の世代と子どもたちの
生きている環境はまるで異なっているため、残念ながら
それは当てはまりません。
何が異なってるかというと、遊び含むリアルな関係で人との
交流を図るという生活体験が圧倒的に不足しているという
ところです。今の大学生の年齢でも自分から同世代の友達を
作るということができないという人の割合の方が多いです。
一部、環境とは関係せずに才能を開花できる子どもが
約15%ほどいると言われています。嫌々ながらでも
勉強させられている人の同じ割合くらいいると思います。
それで大体30%くらい。残りの70%は、国のありがたい
方針のおかげで、子どもにも家庭にも負担を減らした形で
高校まで進学できるようになっています。
1年で30%ほどにも上っている新入社員の離職率の高さと
子どもの成育環境の変化と関係がないとは思えません。
勉強しなくてもすまされた高校生が早ければ次の春、就職を
迎えますが、「ブラック」な環境を嫌う若者の離職率
さらに高まるのではないかと危惧しています。
勉強って、算数や国語を学ぶということもありますが、
それ以上に、自分の好き嫌いや向き不向きにに関わらず、
必要なことに対して、きちんと向き合って取り組むという
姿勢そのものを培うという側面があると思います。
スポーツや技芸の習得の場合、好きな活動を通して
厳しい基礎練習や暑い、寒いを乗り越えつつ、真摯に
物事に向き合ったり協力し合ったりすることを学んでいる
のだと思います。
これは、若いときにしか学べません。
私は学習塾、とりあわけ学習面や知的な課題、発達障害
と呼ばれる子どもたちを教えていることもあって
「子どもに分かるように教えてあげてください」
と保護者からお𠮟りを受けることがありますが、
なぜ勉強をしなければないのか?ということなどは
かみ砕いて説明しても高校生や大人でも分からない人
には絶対に分からないような性質のものです。
人の親になって初めて、勉強って大切なものなんだ
と気が付くものです。
説明して理解できる程度のものは後からいくらでも
学ぶことはできますが、説明しても理解できない
ものこそ、大人が責任をもって子どもや若者に伝える
べきことなのではないでしょうか。
その観点からいうと90億円の支出がそういった
メッセージのような性質のものなのかどうなのか
大いに疑問です。
 
 


 
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